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 「機動戦士ガンダム 0087 〜宇宙の悲愴〜」


総人口の半数を死に至らしめたスペースノイドを主体とした国家「ジオン公国」とアースノイドを中心にした地球連邦軍の対立による独立戦争…即ち「一年戦争」から7年の月日が流れた。
一年間に渡る戦争の傷は癒えつつあるかに見えたが、スペースノイドの自立という願いはいまだ果たされずにいた。
やがて各地でスペースノイドの自立を求める運動が多発。
これを制しきれない地球連邦政府は、彼らをジオン残党と称し、鎮圧にあたる精鋭特殊部隊を編成した。

「ティターンズ」の誕生である。

治安維持活動を名目にスペースノイドへの弾圧を繰り返す彼らの行動を危険視した地球連邦のブレックス・フォーラ准将は、反連邦組織「エゥーゴ」を組織。
宇宙に暮らす人々を迫害するティターンズの組織との間に、本格的な武力衝突が発生するのだった。

時に、宇宙世紀0087…

かつて一年戦争で数々の修羅場を潜り抜けた、ソノ・カルマ中尉はティターンズの行動に不信感を持ち、エゥーゴへ身を投じていた。
「アーガマを捉えた!!発進する!」
エゥーゴの主力戦艦「アーガマ」を護衛する任務についた彼は、エゥーゴで運用されている量産型MS「ネモ」で出撃した。
時に、5月11日。
カルマを乗せた濃緑の巨体は、落ち着いた姿勢で戦場へ向かっていた。
既に成層圏にて、エゥーゴとティターンズの戦闘が始まっていた。
カルマは自分と同じネモに搭乗する、かつての戦友「レベッカ・ターナー」に、自分に続くよう合図を送った。
レベッカも親指を立てて返事を送り、戦闘に突入した。
カルマとレベッカの前に、ティターンズのMS「ハイザック」が立ちはだかった。
ハイザックに装備されている武器、「ビーム・ライフル」が火を噴く。
刹那、カルマのネモはそれを紙一重でかわし、ビーム・サーベルで、ハイザックを一刀両断した。
ハイザックの体は炎上し、瞬く間に爆発した。
「あんなもので出てくるからさ…」
カルマはそう呟いた後、再びビーム・ライフルを構えた。
その頃、ティターンズのMSハンガーでは出撃を待つ一人の青年パイロットがいた。
パイロットの名はルート・メゼニ。
地球連邦の大物政府高官、アルバート・メゼニを父に持ち、自身も18歳にしてティターンズに入隊した、いわゆるエリートである。
ルートは、愛機のジムUの発進準備が遅れることにいらだっていた。
「僕のジムU!発進準備まだですかぁ!?」
ルートは大声で叫びながら、我慢しかねて愛機のコクピットの中に入り込んだ。
ルートのジムUの整備を担当するメカニックは慌ててコクピットの中に入ったルートを制止した。
「ルート中尉!!バズーカの整備がまだ終わっていません!!」
「ビーム・ライフルとビーム・サーベルがあればいい!!もう味方が何機かやられているんだ!!」
ルートはメカニックを蹴飛ばし、ハッチを閉めてしまった。
その様子を見ていたMS隊司令官ジャマイカン・ダニンガンはため息をついた。
「まったく…おちつきがないな。構わん…出せ。」
ジャマイカンは嫌々ながら発進許可をした。というのも、下手なことをして彼の父親の機嫌を損ねると政治的な報復が考えられたからだ。
ルートは自機の足をカタパルトに乗せ、発進準備を整えた。
「ルート・メゼニ!出ます!!」
ルート搭乗のジムUは、虚空へと飛び立っていった。

カルマ駆るネモは数多くのティターンズのMSとの戦いで疲れ果てていた。
レベッカのネモも左腕が破壊されており、戦力は四割ほど落ちていた。
カルマはレーダーに新たな反応があることを感じ、敵機のいる方向へビーム・ライフルを撃つ。
その敵機こそ、ルートの登場するジムUだった。
ルートはカルマの搭乗するネモの存在に、不快な気配を感じていた。
「当たるかよ!」
ルートはその攻撃をあっさり回避し、ビーム・ライフルで反撃した。
「なにっ!?」
カルマはシールドでその攻撃を受け止めたが、シールドは半壊してしまった。
カルマは体勢を立て直そうと素早く行動を切り替えた。
「そこだ!!」
ルートはカルマのいない方向へビームを撃ち込んだ。
その時、当たるはずのないその攻撃に、カルマ機が直撃した。
「しまった!!」
ルートはカルマが何処に移動するかを先読みし、素早くビームを撃っていたのだ。
カルマはあらゆる方向に移動するが、全て先読みされてしまい、まったく避けることができなかった。
次第にルートも距離を詰め始めていたため、ますます避けることが困難になっていた。
「くそっ!!よけきれないのか!!」
「しぶといんだよ!!これで…」
ビーム・ライフルのトリガーを引こうとしたルートは、あることに気付いた。
間もなく、大気圏に突入する。
大気圏に突入するMSの殆どは、バリュートと呼ばれる装置で降下しなければ、大気圏の摩擦熱で燃え尽きてしまうのだ。
ルートはもちろん、カルマたちも大気圏突入のタイムリミットが近づいていることに気付き、戦闘を中断した。
カルマとレベッカはバリュートを展開し、大気圏突入の体勢をとった。
ルートもこれ以上の戦闘は困難であると感じ、バリュートを開く。
バリュートと呼ばれる白い傘は、彼らの体を包み込み、大気圏の摩擦熱から守りぬいた。

どれくらい時間がたつのだろうか…
ルートは下界の方に目を向けた。
下界…即ち連邦軍本拠地「ジャブロー」にて、既に降下した部隊が戦闘を始めていた。
ルートは攻撃を行うべく、バリュートを解除した。
純白の傘から開放されたルートのジムUはスラスターを噴き、大地に着地した。
正確に着地したことを確認し、ルートはジャブローへ向かった。
その頃、カルマとレベッカもバリュートを切り離し、ジャブローに降下した。
「一年戦争のときは護衛する側だったのだがな…」
カルマは一年戦争のときと変わらないジャブローの景色を眺めながら、地面に着地した。
「隊長。2時の方向より…」
「解っている。」
レベッカが報告を終える前にカルマは再び攻撃に向かった。
レベッカが確認したのはティターンズのMS「マラサイ」だ。
マラサイはレベッカの機体を確認すると、スラスター速度を加速させ、突撃を仕掛けてきた。
レベッカはビームライフルの照準をマラサイの頭部に設定し、トリガーを引いた。
ビームライフルの銃口から放たれた強力な熱線は、瞬く間にマラサイの真紅の体を貫いた。
マラサイの体は炎を上げ、爆発した。
その直後、レベッカの背後からハイザックがヒートホークを振り上げ、飛び掛ってきた。
刹那、そのハイザックはレベッカのビームサーベルによって横一文字に切断された。
切り裂かれたハイザックの上半身はヒートホークを握ったまま、地面に伏した。
「これで2機!!」
レベッカは高揚した声を上げた。
「少尉、調子には乗るなよ。これより内部へ潜入する。」
「了解…」
カルマに咎められたレベッカは、膨れっ面をして返事を送った。
そのまま二人はジャブロー内部へと潜入していった。

その頃ルートはジャブローから脱出しようとしていた。
エゥーゴがジャブローに核爆弾を仕掛け、同施設の破壊を狙っているのとの知らせが入っていたからだ。
ルートはエゥーゴのMS部隊との戦闘で被弾したジムUの操縦回路を修復し終えたあと、同施設から脱出するべくガルダ級戦艦に向かっていた。
コクピットに入りこみ、ハッチを閉じた瞬間、ざわざわしたような感覚がルートの全身を這い回った。
「なんだよ…!?」
レーダーに敵機の反応がある。
その反応が近づくにつれ、先程の感覚がじわじわ強くなっていた。
「何がいるんだよ…!?」
ルートはその感覚に不快感を感じ、岩陰に身を潜めた。
反応した敵機との距離が10m以内に入ったとき、ルートは近づいてくる反応の姿を確認した。
「コイツは…ガンダムMk−2…!」
ルートが確認したのは、エゥーゴに奪取されたティターンズ製のMS「ガンダムMk−2」の姿だった。
純白に塗装されたその機体が、岩陰に隠れてミノフスキー粒子を最大限放出していたルートのジムUを通り過ぎていくと共に、先程のざわざわした感覚は薄くなっていき、やがて感じなくなった。
「僕は…感じたんだ。Mk−2のパイロットを…」
ルートは半ば放心状態になり、操縦桿から手を放していた。
沈黙のときが流れた。
しかしその沈黙は間もなく破られた。
「ルート!!聞こえるか!!ルート!!」
ミノフスキー粒子の量が少なくなっていくたびに大きく聞こえる、友軍機からの呼び声。
「ああ…ジェスロか…聞こえているよ。」
ルートは気の抜けた声で返事をした。
ジェスロと呼ばれたそのパイロットは怒鳴り声を上げた。
「何をボサッとしているんだ!!脱出予定時刻をもうすぐ過ぎてしまうぞ!!」
その事に気がついたルートはハッとし、ジムUを起動させた。
「間に合うか…!?」
ルートはスラスター出力を最大にし、
内部から脱出した。
外界の眩しい太陽が照らされた滑走路に出た頃には、ティターンズの脱出艦であるガルダ級「スードリ」が離陸体勢に入っていた。
「クソ…待てよ!!」
ルートは焦りを覚え、スードリ目掛けて飛び上がった。
「行け!!」
ルートのジムUは開かれていたスードリのハッチに飛び乗り、離脱に成功した。
エゥーゴもガルダ級戦艦「アウドムラ」に乗り込み、脱出していたようだ。
アウドムラに乗り込んだエゥーゴのメンバーの中には、ソノ・カルマとレベッカ・ターナーの姿もあった。
「カルマ…私たちはこれから何処へ?」
「ホンコン・シティへ向かうことになっている。しかし先程のジムUは…」
カルマは地球に降下する前に交戦したジムUのパイロットについて考えていた。
あれほどの反射速度を持ったパイロットは、これまで見たことがなかったからだ。
「奴は一体…?」
アウドムラはホンコン・シティへと進路を取った。
そして、ジャブローは核爆弾の前に消滅した…

「地球の空気…そう、これが地球の空気なんだよな…」
ジャブローが壊滅してから6カ月余りが過ぎた。
ルートはダカールの街のはずれで一人たたずんでいた。
ルートはジャブローから脱出したあと、ベン・ウッダー大尉の指令によりスードリの移動の途中で同艦から降り、ダカールの守備隊に配属されていた。
しかし、ルートがこの任務に就いたのは、個人的なほかの理由があった。
地球の空気を思い出すため…
そう、ルートはMSパイロットとしての訓練課程を修了する為、3年間ほど宇宙で暮らし続けていたのだ。
宇宙といってもティターンズの管轄内なので地球とさして生活環境そのものに変調はなかったが、ルートにとっては地球の空気が吸えないという事実は、嫌悪感以外のなにものでもなかった。
そしてルートは何より、その地球の空気を忘れていた自分を嫌悪した。
「僕だってアース・ノイドなのにな…」
これまで地球で過ごした時間といえば、MSのコクピットの中か艦内だけだったルートにとって、外に出て空気を吸う事は、新鮮かつ開放的なことだった。
ルートは体が羽のように軽くなった気分になり、街の中に駆け込んでいった。

ルートはこれまでの生活の中で見ることがなかった、一般社会の街並みを堪能していた。
しかしその気ままな時間は一人の人物によって破られることとなる。
「ルート中尉!!もうすぐ訓練の時間です!!」
背後から、甲高い声が聞こえる。
ルートの所属する部隊のオペレーターのアリシア・ユール伍長だった。
「アリシアか…」
ルートはがっかりしたような顔をして、舌打ちをした。
ルートは今日、新しい乗機となる可変MS「アッシマー」の訓練を行うことになっている。
「まったく…アッシマーは変形機構を搭載した次世代MSなんですよ?それを完全に活かせるパイロットになって頂かなくてはならないのに…」
アリシアは右手のひらを頬に当て、ふぅとため息をついた。
「僕はちゃんとやるよ…」
ルートはウンザリした顔で守備隊基地へ向かった。
「守備隊には、新しく我が軍のエースが配属されたらしいんです。」
「へぇ…どれほどの人なのかな。」
このときルートは、人ごみに紛れてアリシアが自分に寄り添っている姿勢で歩いていることに気がつかなかった。

守備隊基地で制服に着替えたあと、同僚のジェスロ・フォレスト中尉と再会した。
「ジェスロ?お前もこの隊に配属されたのか…」
「ルートじゃないか!?スードリ以来じゃないか?」
やがてルートはジェスロからホンコン・シティでのことを聞かされた。
「そうか…ブラン・ブルターク少佐とベン・ウッダー大尉がスードリと共に…」
2人は基地内の廊下で話し合っていた。
「さらに最近聞いた話では、エゥーゴは最新鋭のMSを投入しているらしい。」
「ああ…その話は聞いている。…ん?」
ふと、ルートは廊下を歩く一人の士官から他とは違う気配のようなものを感じた。
それはジェスロにも解るらしく、しばらくの間、二人でその士官の後姿を眺めていた。
ルートは何かを思い出したような顔をして、口を開いた。
「おい…あれカムナ・タチバナじゃねぇ?あの“鉄の貴公子”の…」
「えっ…あれが?」
ジェスロも言われてみて、気がついたようだ。
カムナ・タチバナといえば、一年戦争から戦いぬいて来た、連邦軍のエースの一人だ。
「なんでもあんなエリート面してるが…その実ブルドッグみたいに執念深いらしいぜ。一度目をつけたジオン残党は何があっても追い詰めるってな…」
「へぇ…ここに配属されたのか…」
ルートはカムナのことを少しだけなら知っていた。
彼の父であるニシバ・タチバナとルートの父のアルバート・メゼニが旧知の仲だからだ。
しかし、写真でしかその容姿を見たことはなく、自分の目でその姿を確かめたのはこれが初めてだ。
カムナ本人はルートには気付いてはいなかったようだ。
何も気に留める様子もなく、そのまま通り過ぎていった。
「アリシアの言っていた例のエースとは、カムナ大尉のことだったのか…」
刹那、基地全体に警報が鳴らされた。
「!?」
『正体不明のガルダ級が接近しています!!迎撃に向かってください!!』
「ち!!訓練する暇ぐらいよこせってんだよ!!」
「出撃するぞ!!」
ルートたちはノーマルスーツに着替え、それぞれの乗機に乗り込んだ。
「まったく…まともな訓練もしていないってのに…」
イエローとグリーンで塗装されたその機体は、MA形態で発進した。
「ルート・メゼニ!!アッシマー行きます!!」
ルートを乗せた丸みを帯びているその機体は、ダカールの空へ舞い上がった…

ルートはレーダーに反応している敵機の位置に疑問を持っていた。
ネモと識別されているが、自分達と同じ高度の空中を飛行している。
ネモにそれほど高いスラスターの出力はないはず…
スクリーンから映し出された映像の中に、エゥーゴのMS部隊と考えられる機影が移されていた。
エゥーゴのMS隊は、俗にドダイ改と呼称されている上空戦闘用兵器に搭乗していた。
「なるほど…ドダイ改に乗ってきているのか。なら、ネモごときがここまで来れても不思議じゃないな!!」
ルートは操縦桿を握り、何らかの操作をした。
やがてルートのアッシマーは人間の形をした…即ちMS形態に変形した。
「命乞いして歯ァ食い縛れ!」
アッシマーのビーム・ライフルが火を噴く。
ビーム・ライフルから放たれた一筋の光は、ネモの濃緑の体を一貫した。
爆砕し、鉄屑になったネモの体はダカール市内に墜落した。
「まずは一機…ん?」
ルートは何かの気配を感じ取った。
高速でこちらに向かってくるネモ。
そこから発せられる不快な気配は、以前感じたものと同一のものだった。
「…成層圏のときと同じ奴か!?今度こそ仕留めてやる!!」
そう、そのネモにはソノ・カルマが搭乗していた。
「あのMS…あんなに早く俺に気付いたというのか…?」
カルマはルートの反応の速さについて、ある仮説を立てていた。
「ニュータイプとでも言うか!?」
ルートとカルマはお互いで同時にビーム・ライフルを撃った。
双方から放たれたビームは互いにぶつかり合い、破裂した。
「そこだッ!!」
ルートは本能的にカルマのネモを狙い撃つ。
カルマはそれを機体の向きを変えることで、間一髪回避した。
「正確な射撃だ…!!あんなパイロットがティターンズにいるのか?」
カルマはドダイ改を加速させ、ルートのアッシマーとの間合いを詰めた。
「接近戦などッ!!」
ルートはビーム・ライフルを連射して牽制を試みるが、ことごとく回避されてしまった。
「MSの本分とはこういうものだ!!」
アッシマーから放たれたビームがカルマのドダイ改を撃ちぬいた瞬間、カルマのネモはアッシマーの腹部に飛び蹴りを直撃させた。
「うあああっ!!」
ルートのアッシマーはバランスを崩し、ダカール市内の高層ビルに落下した。
ビルは衝突したアッシマーの質量に耐えられず、轟音を立てて崩壊した。
その様子を見ていたジェスロはルートの救援に向かった。
「ルート!!たかだかネモ一機に何を遅れをとっている!!」
「ジェスロ!!迂闊に近づくな!!」
ルートは素早くジェスロに射撃戦に持ち込むよう促した。
しかし、それでももう遅かった。
ジェスロのアッシマーが変形をする瞬間、カルマのネモはバーニアを噴かした。
そして金色のビーム・サーベルが、瞬く間にアッシマーを横一文字に切断した。
コクピットの中にいるジェスロの体は、焼け爛れる間もなく消滅した…
「く…これだからエゥーゴって!!」
ルートはビーム・ライフルを捨て、スラスターの出力を最大に設定した。
そしてカルマのネモに強烈な体当たりを仕掛けた。
カルマはそれに反応はしていたが、ドダイ改を失ったネモに空中戦は荷が重く、回避することは出来なかった。
「クッ!!やってくれる!!」
その瞬間、ルートの耳に聞きなれない声が入ってきた。
『閉会するな!!この席を借りたい!!!』
「!?」
「はじめたな…クワトロ大尉!!」
さらに、ルートに新しく通信が入った。
アリシアからの状況報告だ。
「ルート中尉!!連邦議会がエゥーゴに…」
「なんだというんだ!?演説!?」
その頃ダカールの連邦議会は、クワトロ・バジーナらエゥーゴの主力メンバーに占拠されていた。
『議会の方と連邦国国民の方々には突然の無礼を許していただきたい!!私はエゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉であります!!』
「エゥーゴに占拠されているのか…一体何をしようと…?」
『話の前に一つ知っておいて頂きたいことがあります。…私はかつて、シャア・アズナブルと言う名で呼ばれたこともある男だ!!』
その瞬間、ルートは操縦桿を握る手が硬直してすることに気がついた。
「シャア・アズナブル…あの、ジオンの「赤い彗星」だというのか!?」
ルートは驚きの表情を隠すことは出来なかった。
『私はジオンのシャアではなく、ジオン・ズム・ダイクンの子として語りたい!!ジオン・ダイクンがジオン公国を作ったのではない。現在、ティターンズが地球連邦軍を我が物にする事実は、ザビ家のやり方より悪質であると気付く!!もうその歴史を繰り返してはならない!!』
シャアの声はルートの胸に重くのしかかっていた。
「そうだというのなら…俺は、俺たちはどうすればいい…?」
ルートのアッシマーが動きを見せない様子を見ていたカルマは、ルートと交信を持ちかけた。
「さっきからピクリとも動いていないな。迷っているのか?」
「…なにを!!」
ネモのパイロット…即ちカルマからの言葉に不快感を感じたルートは、接近して攻撃を仕掛けた。
しかしアッシマーの鋼鉄の拳は、カルマのネモには紙一重で避けられてしまう。
ルートの声を聞き、カルマは相手の年齢が十代であると判断した。
「君の動きを見ていれば解る。君は自分のアイデンティティを自分の理解できる倫理で全て破壊され、行き場を見失っているんだ。」
「反乱を起こすあなた方が何を言う!!」
ルートは再び殴りかかるが、ネモの回し蹴りの前に返り討ちにされてしまう。
「くうッ!!」
「君…それほどの力を持っていながら、何故ティターンズに手を貸せる?」
「なんだと!?」
「安易な敵意の渦から抜け出せ。君の器にふさわしい道を選んでみろ!!」
ルートは、自分が何をして、何をしてきたかを整理しようとした。
深く考え込んでいる間の彼は、俯いたままでいた。
「僕は…!!」
顔を上げたときは、カルマのネモは既にその場を立ち去っていた。
「僕は…こうあるべきなんだ!!」
ルートはアッシマーをMA形態に変形させ、ダカール議会に向かう一機のハイザックに突撃した…

……宇宙世紀0087、11月。
ダカール市内において強行されたエゥーゴのクワトロ・バジーナことシャア・アズナブルの演説を契機に、世論は逆転した。
これまで世間的にテロリストとみなされていたエゥーゴと、連邦軍内で大きく主導権を握っていたティターンズとの支持率の差が逆転しようとしていたのだ。
ティターンズの暴挙は一般人はおろか構成員にさえ知らされていなかったこともあり、ダカール守備隊のアジス・アジバ中尉を始め、ティターンズに不信感を持つ者たちが現れ始めた。
ルート・メゼニもその例外に漏れず、ソノ・カルマの論にも促され、ティターンズに嫌悪感を示していた。
「そうしてしまうと君は随分と階級が下落してしまうぞ。君もあんな連中の中傷を真に受けてしまったのかね?」
「これは私の意志です」
今、ルートはダカール連邦軍基地にて、司令官にティターンズの除隊を申し出ていた。
連邦から離れるのは怖い。
しかし、一度ティターンズが憎悪と殺意で満ちた空間と悟ってしまえば、もうあそこにいては自分がおかしくなってしまう気がしていた。
「私は一般将校として、ティターンズに同行します。」
「なら、なおのことティターンズに残るべきではないのかね?」
「私は…元来こうあるべきだったような気がしているんです。」
そう言い残し、ルートは司令官のもとを去って行った。

その後、ダカールを離れたルートはティターンズの制服を脱ぎ、連邦軍少尉として実戦に身を投じる形となった。
「いいんだよな…これで…」
ルートは連邦軍仕様の青に塗装されたハイザックに搭乗し、新しいパートナーであるカラ・バレンツ少尉と共にカラバと交戦していた。
カラの搭乗するハイザックのビーム・ライフルの一撃がリック・ディアスの青い機体を貫いたとき、高揚した奇声がレシーバーを通じてルートの耳に突き刺さってきた。
「どうよルート!!金持ちのボンボンには負けねぇぞ!?」
「解った…解ったから静かにしてくれ。」
カラは非常に優れた技術を有するパイロットであるが、士官学校に入っていない上にスペース・ノイドであったために、ティターンズへの入隊は許されていなかった。
その為か、カラは長い間ティターンズの待遇に反感を持っていた。
今、ここまで彼の気持ちが高揚しているのは、ティターンズの横暴が告発され、彼らの世論的な権威が暴落しつつあるからだろう。
連邦政府の名門の家に生まれ、士官学校を飛び級で卒業してティターンズの入隊試験もパスしているルートと比べるとまったく正反対な人物であるといえる。
しかしルートは同じくティターンズの横暴に反発する者同士であるカラを快くパートナーとして受け入れていた。
しかし、全ての感性が一致しているわけではなかった。
カラはティターンズの横暴が明るみに出る前と同じように、快活な姿勢でカラバ討伐に当たっていたが、あのダカールでシャア・アズナブルとソノ・カルマに論されたルートは、その事を引きずり続けていたため、カラバ討伐に関しては余り乗り気ではなかった。
そのためか戦果としては若干カラの方が上回ることがあった。
それでも2人の戦績は少なくとも一般兵の中では飛びぬけた成果を誇っていた。
ルートは何度かティターンズへの復帰を促されるが、まったく応じはしなかった。
「わざわざ世間からのバッシングを受けに行くつもりはないさ。」

そして、宇宙世紀は0088を迎えた。
ルートとカラには一時的に宇宙に上がることを命令された。
強力な威力を持つというコロニーレーザー・グリプス2を必要とする大規模な戦闘になると言われていたからだ。
2人は戦果を評され、例外としてティターンズの可変MS「ガブスレイ」を支給された。
「いまさら俺たちにティターンズごっこさせるってのかよ?お偉方も慌ててんなぁ?」
「僕たちが当てにされていると思えば良いさ。」
2人はシャトルに2機のガブスレイを積み、宇宙への発進準備を整えた。
「またあそこに戻るのか…あのネモのパイロットもいる…かな…」
ルートは自分の行いを改めるべきだと論したエゥーゴのMSパイロット…即ちソノ・カルマの声を思い浮かべていた。
「ここまで来てしまってはもう後戻りは出来ない。わかっているさ。わかっているとも…」
刹那、シャトルのエンジンが作動し、2人を乗せたシャトルが発進した。
2人はこの戦いに終止符を打つべく、グリプス2へ向かう…

2人がグリプス2に到着する頃には、既に2月を迎えていた。
ルートとカラはバスク・オム大佐との一礼を済ませ、攻撃を仕掛けてくるであろうエゥーゴ及びジオン残党「アクシズ」への迎撃に備えていた。
ガブスレイのシュミレーション中、ルートは自分を呼ぶ声を感じた。
「ルートさん!!」
「…アシリアか。」
ルートを呼んだのは、ダカール守備隊のオペレーターを務めていたアリシア・ユール伍長だった。
ティターンズのほうが権力上優遇されているとはいえ、少尉と伍長という階級の差なら、ルートのほうがまだ階級は上回っている。
アリシアはルートが一般士官としてグリプス2防衛に着任したという噂を聞きつけ、ルートを探しに来ていたのだ。
「本当によかった…ティターンズを抜けたって言うから、もう地球に残ってしまったのかと。」
「ティターンズが何処まで行き着くのかをこの目で確かめたくてな。君こそ、エゥーゴやアクシズが来る前に身を引いたほうが良いんじゃないのか?君の体が赤ちゃんを産めなくなる前にな。」
ルートは彼女の自分への好意を理解し、敢えてそれを刺激するような言葉で包み、彼女にティターンズの除隊を促した。
アリシアは顔はおろか鼻の先まで真っ赤に火照り、両手を頬に当て、無意識のうちに幸せそうな顔をしていた。
ふと、後ろからカラが身を乗り出してきた。
「いい女じゃないか…何処でどう口説いたんだ?」
「甘い言葉で包んであげたんだ。それより、パプテマス・シロッコ大尉がジュピトリスで独自にMSを開発していると聞いたが。」
「ああ。あそこで造られた機体はPMXっていう特異な型式番号を持つらしい。どれも高性能と聞いている。」
ジュピトリスといえば、木製帰りのパプテマス・シロッコ大尉の所有する巨大艦だ。
その大きさの余り、艦内でMSの開発が出来るという。
「僕もここに来る途中で見かけたが、アレは確かに巨大だな。」
「ああ。あそこで開発されたMSは俗に「ジュピトリス製」と呼ばれている。」
ルートはカラとの話を一通り終えたあとMSデッキを去り、彼と一緒に窓からティターンズ艦隊の様子を眺めていた。
ルートはシャアによって告発された、ティターンズの非道や過去の戦争の悲劇を思い浮かべ、沈痛な表情をしていた。
その彼の意を汲んだカラは、彼にそっと声を掛けた。
「辛いよな。この時代ってさ。」
疲弊しきった彼の心は、こう答えるしかなかった。
「ああ。すごく辛い。苦い。そして…悲しい。」

その頃、グリプス2へ向かうエゥーゴ艦隊の中に、ソノ・カルマとレベッカ・ターナーの姿があった。
カルマは、ジャブロー攻略戦の際に自らの手で殺めた、一年戦争時の部下のことで悩んでいた。
「では、貴方はあのジムUのパイロットがニュータイプであると?」
「君にもその片鱗がある。君のほうがわかるんじゃないのか?」
カルマは彼女に自分とは決定的に違う何かを感じていた。
その“何か”は、あのジムU、アッシマーのパイロットにも感じていた。
「君には革新的な何かがある。そうでなくては一年戦争のあの時、フライ・マンタであのザクのサイコミュ攻撃を避けられるはずがない…」
カルマは一年戦争の際、彼女がフライ・マンタでサイコミュ試験型ザクのオールレンジ攻撃を回避していた様子を回想した。
しかしレベッカはその力については否定的だった。
「あれはたまたまザクの攻撃する方向が見えただけです。」
「つまり君にはザクの攻撃する方向を見切っていたということになる。実戦経験のなかった君が、だ。」
レベッカは黙り込んでしまった。
カルマは俯いた彼女に話しかけた。
「君自身がそれを認めたくないのなら、それでも俺は構わない。君がそのままでいて本当に満足しているのならな。けど、本当に大切なものは、自分の中にあるものを正確に認識していないと見落としてしまうものなんだ。見落としたままでいる君は、強くはない。」
レベッカはやや悲しげな表情をしながら、窓から見える星の海を眺めた。
「私は、私のままでいることも大切なんです。」

そして宇宙世紀0088、2月22日。
エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三つ巴の戦いは、熾烈を極めた。
バスク・オム大佐及びティターンズの創設者であるジャミトフ・ハイマン大将が既に死亡し、ティターンズの全面的な勢いは低迷していた。
グリプス2ことコロニー・レーザーはエゥーゴのメールシュトローム作戦よって奪取され、ティターンズ史上最悪の事態となっていた。
ルートはカラと共に、ガブスレイに搭乗した。
「カラ・バレンツ、出るぞ!!」
「ルート・メゼニ、行きます!!」
アリシアはルートと通信した。
「ルートさん…私は、あなたを待ち続けます。」
「…うん。」
2機のガブスレイは、虚空へと飛び去って行った…

エゥーゴも被害は甚大なもので、既に創設者であるブレックス・フォーラ准将を失い、戦艦ラーディッシュをヘンケン・ベッケナー中佐ごと撃沈されていた。
カルマはレベッカと共にネモで出撃し、劣勢となっている友軍の救助に向かっていた。
「カルマ!!周囲の損害は甚大です!!ラーディッシュも撃破されたとのことです!!」
「うろたえるんじゃない…!!ティターンズもバスク・オムとジャミトフ・ハイマンを失っている。厳しいのは向こうも同じだ!!」
2人は迫り来るティターンズのMS隊をことごとく撃破していった。
グリプス宙域のあらゆるところで、次々と艦やMSが爆発し、多くの人々が命を散らしていた。
その周囲で行われる殺戮の前に、レベッカはただ涙を流すしかなかった。
「どうして…どうしてこうならなくちゃいけないの!?」
レベッカは憤怒の念を込め、自機に接近してくるガブスレイ2機を補足した。
その瞬間、レベッカは突如頭痛に襲われた。
それはレベッカ機に攻撃を仕掛けようとしたルートにも同じことだった。
「頭が…痛い!!」
「何だよ…この感じ!!」
「どうした、ルート!チッ!!」
カラはレベッカ機を捕捉し、フェダーイン・ライフルを放った。
「レベッカ、どうしたッ!!」
カルマはそれをレベッカに代わってシールドで受け止めた。
「アイツだ!!あのネモだな!!」
「あのガブスレイは…」
ルートのガブスレイとカルマのネモは間合いを詰め、ビーム・サーベルを交えた。
「貴方ですね!!ダカールで僕を説き伏せたのは!!」
「俺は真実を述べたまでだ!!」
ルートはネモのビームサーベルに競り勝ち、回し蹴りを繰り出した。
カルマはそれを宙返りで回避し、ビーム・ライフルで牽制した。
「く…そんなもので!!」
ルートはビームの弾幕をかいくぐり、フェダーイン・ライフルを連射した。
そのうちの一発がネモのライフルの銃身に直撃し、銃身はその場で爆発した。
刹那、ルートは追い討ちをかけるように、カルマ機にとび蹴りを仕掛けた。
その一撃は腹部に当たる部分に命中し、カルマ機は水平に吹っ飛ばされた。
「クッ!!いい腕をしている!!!」
「これでッ!!」
ルートはビーム・サーベルを抜き、突撃を敢行する。
しかしカルマは機体をくねらせ、間一髪それを回避した。
ルートはサーベルをその姿勢のまま水平に振るが、それも回避されてしまった。
「モノアイさえ見れば攻撃の照準くらいわかるさ!!」
「なんのぉッ!!」
2機は再びビーム・サーベルを抜き、激しくぶつけ合っていた。
そして、再び競り合いになった。
カルマ機越しに、ルートはあるものを見た。
それは、無残にもバラバラになったカラ機の姿だった。
「カラ!?…アイツがやったのか!?アイツが!?」
ルートはレベッカ機を睨みつけた。
モノアイの視線から、カルマはそれに気がついた。
「レベッカをねらっているのか!?クソ!!」
しかしネモのサーベルでは結局のところ歯は立たず、憤怒を募らせたルートの前に簡単に弾き飛ばされてしまった。
ルート機はMA形態に変形し、フェダーイン・ライフルを撃ちながらレベッカ機へ突撃した。
「貴方達はどうして僕から奪ってばかりなんだ!!」
レベッカもビーム・ライフルで牽制を試みるが、まったく歯が立たない。
「なんなの?…怖い、怖いよ・・・」
レベッカはルートの体から発せられる激しい憎しみのプレッシャーを肌で感じていた。
そのプレッシャーの強さに彼女の精神が耐えかねたのか、彼女は操縦桿を握ることすら困難になっていた。
ルート機の銃撃によって彼女の機体はことごとく破壊されていき、目前まで迫っていたときには、ルート機はMS形態となり、ビーム・サーベルを振り上げていた。
カルマ機は、スラスター出力全開で、救援に向かった。
「レベッカーッ!!」
刹那、ルート機はネモの体をことごとく切り裂いた。
しかしそれはレベッカ機ではなかった。
「カ、カルマァァッ!!」
レベッカの悲痛な叫びが響いた。
レベッカは戦闘中にもかかわらず、ハッチから飛び出し、生身のまま破損したカルマ機へ近づいた。
ルートはその行動に言葉を失い、背を向けた。
生身の人間をMSで殺すほど非道ではない。
いや、殺せる勇気がない。
ルートはそのまま破壊されたカラ機へ向かった。
「カラ!!応答しろ!!生きているのか、カラ!!」
聞こえるのは雑音ばかりだったが、かすかに聞こえる。
そう、カラの声だ。確かに。
「…ルートか。」
「カラ!!」
「いいか、ルート…この機体だけでもちゃんとアリシア伍長のいる艦へ届けるんだ。俺たちの足跡を残すんだ。この宇宙に、しっかりとな。」
そういい残し、彼は眠りについた。
「…うん…」
そしてルートは、カラ機を抱え、既に負傷して戦力を失ったカルマ達を放置したまま、帰投した。

アリシアとの通信が出来る距離まで近づいたとき、彼女は歯を食い縛り、沈痛な表情をしていた。
どうしたんだとルートが問いかけても、彼女は答えない。
カラの戦死を伝えられた彼女は、涙を流すほかなかった。
「いいですか?ルートさん。私は、貴方に生きていて欲しい。」
「どうしたんだ?急に。」
「貴方は、きっといつかは死ぬでしょう。でも、ここではありません。」
アリシアは涙を拭い、しっかりした目で通信越しにルートを見つめた。
「貴方は、この時代のあり様と悲しさを伝えてから死ぬんです。ここで死んではいけないんです。」
ルートは、自分より年下であるはずの彼女が、自分より10歳は年上に見えた。
そう感じるほど、今の彼女は大人びている。
「いわれなくとも、僕はこんなところでは死にはしないよ。」
「そういって頂けるなら、私は満足です。」
アリシアは、残された力を振り絞るようにルートに話しかけた。
「今すぐここから退避してください。」
「…それは艦長命令なのか?」
「はい。」
ルートは眉間にしわを寄せた。
「本当か?」
「嘘です。こうでも言わないと、あなたは言うことを聞いていただけません。」
ルートはため息をついた。
「そこまで俺を貴艦から離れさせたいのか?」
「私は…貴方を生かして見せます。10秒以内にここからうんと離れてください。私の魂は、ここにあります。さようなら。」
ルートは、通信を強制的に切られてしまった。
刹那、ルートは自分がその場から早急に退避しようとしている事に気がついた。
そして、彼女の言っていた意味をようやくルートは理解するのだった。

光が迫ってくる。
ティターンズ艦隊に、眩い光が迫る。
その光は、ルートのガブスレイの両足をことごとくもぎ取っていった。
「…!!!」
そして、その光はアリシアの体を激しく包み込んだ。
断末魔の声を上げ、骨も残さず消滅していくアリシア。
ルートは、数多くの命が溶けていく苦しみに苛まれるばかりだった。

ルートは、自分がどうしてここにいて、どうしてこんなことをしているかわからなくなっていた。
ただ、叫ぶしかない。
それしかルートができることはなかった。
「どうして…どうして!!どうして僕は失ってばかりなんだーーーッ!!」
そして、ルートはガブスレイを爆走させた…

この日、ティターンズ艦隊は壊滅。
組織は事実的に崩壊。
エゥーゴも戦力の過半数を喪失し、唯一主力を残していたアクシズが、今後の主導権を握ることとなる…

なお、ティターンズの構成員の名簿の中に、“ルート・メゼニ”の名は存在していない…

宇宙世紀0088、2月22日。
悲しき刻、グリプス戦役は終結した…

〜THE END〜
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