ペルガ・ネロス


 二十年前、反地球連邦政府組織、「マフティー・ナビーユ・エリン」によるテロが活発化したのを切っ掛けに、地球連邦政府はケネス・スレッグ大佐をマフティー殲滅の為に派遣。ケネス大佐はキルケー部隊を発足した。
 その時、ケネス大佐の切り札となったモビル・スーツがぺーネロぺーをモデルにしたのがペルガ・ネロスである。
 ペルガ・ネロスは、アナハイム・エレクトロニクスの元技術者や元地球連邦軍の軍人達がそれぞれのデータを持ちより、ペーネロペーを基にクロスボーン・バンガードで作成したモビル・スーツである。その基本性能の高さは折り紙付きで、クロスボーン・バンガードの総司令官である鉄仮面がそれに目を付けた。
 鉄仮面はペルガ・ネロスに試作第一号のバイオ・コンピューターを搭載し、それを自分専用機にしようとしたのだ。
 しかし、試作第一号は「人体に負担を与えない」、という事に主眼を置いて開発された為、もう一つの目標である「誰でも扱えるサイコミュ」の部分を大きく殺してしまっていた。そのため、鉄仮面とはサイコミュの波長が合わずに、断念。その他のクロスボーン・バンガードの腕利きのパイロット達も挑戦するが、誰も扱う事は出来なかった。鉄仮面はペルガ・ネロスの廃棄を決定しようとするが、ペルガ・ネロスの製作に関った技術者達の説得と、ジェン・ギーパーの要望により、戦艦、「ザムス・グル」の格納庫に保管される事となった。
 しかし、フロンティアW侵攻ではパイロットが見付からずに使用を断念せざるを得なかったのが、開発に携った技術者達の悩みであったが、フロンティアWで入隊したアスク・ハーリーをジェンが連れて来た事により、事態は好転した。ペルガ・ネロスは、以後彼の専用機として活躍する。
 この巨大モビル・スーツのペーネロペーとの相違点は、肩のメイン・センサーを廃止し、代わりに動力炉に直結する大口径のメガ・粒子砲を取り付けた事にある。このメガ・粒子砲はペーネロペーのメイン、センサーから縦に銃口を取り付けたようなもので、正面から見ると竜の口のようにも見える。コックピット手前のモノ・アイも廃止した結果、多少スマートになったのだが、外見的にはモビル・スーツの小型化を主眼において開発された為、多少小さくなっただけである。
 主な武装はメガ・粒子砲一門と手持ち式のビームマシンガン。腕部に儲けられた機関砲二門と背中に羽のように突き出たファンネル・ミサイルポット。両腕にビームシールドと、ビームサーベルは脚部にマウントされている。
 メイン・エンジンは、ペーネロ・ぺーと同様にミノフスキー・クラフトエンジンを採用した。クロスボーン・バンガードの地球侵攻作戦時のモビル・スーツ部隊の中心として、一説では、戦艦「マザー・バンガード」を意識して造られたモビル・スーツと言われている。
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