あとがき 『二時間をこえてもいいので(できれば九十分くらいで)、一本の映画にするとどうなるのか?』 映画の構成のたたき台というコンセプトをシミュレートしたのが本作です。 機動戦士Ζガンダムのファンならば、 「フォウは?」 なんて怒っている人がいるに違いない。 Ζガンダムのヒロインの筆頭は間違いなくフォウ・ムラサメなのは疑いの余地はないわけですが、登場させませんでした。というか登場させられませんでした。 意識したのは、とにもかくにも劇場三部作。御大のサービス精神は総てのファンやスポンサーサイドに及び、あの物語のなかでも全く意味がないのではないかというロザミア(元祖妹萌えキャラ)までが登場しました。原作では“バダム”氏だったのが“バタム”氏と気の抜けるような発音に変更されているのは御大のせめてもの反抗なのか……? 二本目の映画に引っ張る意味でも、まさにフォウでよかったと思うんだけど。 ストーリー仕立ての“設定市映画”がやりたかったならば(バンダイさんのおもちゃも売れるでしょうから)あれでもいいのでしょうが、お話しを見せたいという映画だったならば、あれはない。主人公のカミーユですらぞんざいに扱われて、なにも立たない映画になってしまってる! で、私ならストーリーをこうする、って感じだったのです。 今回のストーリー候補は、以下の三通りありました。 1.カミーユをアクシズの士官にする。両親は、アクシズの政権抗争に巻き込まれてハマーンの一派に殺される。シャアが、アクシズから脱出するさいに一緒にアクシズを抜け出す。連邦(エゥーゴ)軍対アクシズの構図。 2.ジェリド・メサをバスク・オム大佐の懐刀にする。彼自身はニュータイプではないが、ニュータイプ(強化人間)部隊の隊長を任される。強化人間のなかに、マウアー・ファラオやフォウ・ムラサメ、ロザミア・バダム、ゲーツ・キャパを配置。ジェリドは、物語の後半で強化人間精錬の非人道的行為に疑問を持ってバスクを殺す。さいごは、マウアーを殺された恨みを抱きカミーユと一騎打ち。 3.シロッコの出生を産まれながらの強化人間だと明確にする。躬ら(ティターンズ)の理想の為に邁進し、そのなかでカミーユとの意見の相違が衝突を生み出す。 の三つの候補があって、本作は三つ目のを選択したわけです。 1.はシャアが目立ちすぎることになるだろうなと思って却下。冒頭で、アクシズにサイド3のズムシティーを制圧されるところから始めればジャブロー降下作戦とかゼダンの門(ア・バオアクー)の戦いとか、一本目のガンダムのパロを描けるなと思ったんだけどね。フラナガン博士の助手にムラサメ博士を据えれば、フォウ・ムラサメも登場させられるとは思ったんだけど。シャアに連れ出されるのをジュドー・アーシタに置き換えればダブルゼータにできるなとも思ったので、なおさらやめ。 2.はマウアー・ファラオのファンの私としては悩みどころだった。でも、マウアーをジェリドの部下にしてしまうと魅力が半減してしまうということで却下。でも、いちばん原作に近いストーリー展開ができたかも知れない。原作や劇場版で目立ちつつも日の目を見なかったジェリドにスポットライトを当てることができるとも思ったんだけどね。 映画を意識し主題歌を設定して、 エンディングをGacktで、アルバム『Crescent』から『Lust for blood』。ファ・ユイリィが“ゼータ”にとりついてコックピットハッチを開くあたりから流れるのをイメージしています。 現在、1.の立案を利用して、ダブルゼータを書き始めようとしています(機動戦士ガンダムエピソード3ですね)。 やっぱり劇場版Ζを意識してしまうのですが、『逆襲のシャア』にまでつながるところはほしいですものね。 |
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