あとがき


 『機動戦士ガンダムダブルゼータ』を一本の映画にしよう。
 やっぱり二時間くらいで。
 ってのがこの小説のコンセプトです。
 サブタイトルは、〜アルテミスの嗚咽〜でずっと考えていたのですが、このようになおしました。
 オリオンいがいを愛せなかったアルテミスもなかなか捨てがたいのですが、求愛を拒否し続けるといったら、ダプネーの方がそれらしいかな、と思ったからです。自分の裸を見た男は殺すアルテミスでは物騒かな、とも思いまして。
 まあ、プルツーを出さなかったことは勘弁してください。エルピー・プル・ツウァイリンゲはふたり分です。ふたりの性格(というか態度)をたしときましたので。名前をエルピー・プル・ツゥとでもしようと思ったのですが、いかにもそのままですのでドイツ語の『Zwillnge(双子)』を日本語読みしてラストネームとしました。
 今回のこの小説を書くためにあちこちで資料をあさったのですが、ネオ・ジオンの軍人って軍階級が明確にされてない人ばかりなことに気付かされました。マシュマーにしても青年士官ってだけ、グレミーもプルも。階級があるはずだというのはユーリー・ハスラー中将(0083)の例もありますからわかっているわけですが、探すのにも疲れちゃったので、諦めて捏造しちゃいました。階級があった方が、軍人らしくて、小説としては書きやすいですから。軍艦の艦長をやってるなら、佐官でなくてはまずかろうと、マシュマー・セロは特務中佐(大佐)、キャラ・スーンは少佐に。どうしてもジュドーに「閣下!」という台詞を言わせたかったので、グレミー・トトは少将です。で、ついでに貴族っぽくなるかなと位階を設けてあそんでみました。ジュドーは、士官というスマートな印象がどうしても湧いてこなかったので、下士官です。
 グレミーの出生については、テレビシリーズを観ている時から、ずっとこういった設定だと思っていたので、今回とくに考えたわけじゃありません。グレミーが後半でクーデターをおこした時に、勝手に今回のラストシーンのようになると予想していました。
 それにしても、テレビシリーズでは真実は謎のままでしたねぇ。

 テーマ曲をアクセスのアルバム“binary engine”から“Shadow over the world”に設定しました。
 当初は、同アルバムの一曲目、“Awake”がいいなと思っていたのです。この曲が流れつつ、ジュドー達がジャガイモの収穫をやっているシーンを想像していたのですが、なんか、実際に最後まで書いちゃうと、そんな気分じゃなくなっちゃいました。当初から予定していたはずのラストシーンだったんですけどねぇ。

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