2 アヴリル


 当日の昼頃、俺は迎えに来た黒塗りのデカいエレカに乗った。もちろんルーシーも同乗する。今日も学校があったが、仕事があるからと早退してきたのだ。
 車には他に運転席に一人、そして助手席にはジェノバが座っている。二人とも同じ黒いスーツ、胡散臭さがプンプン漂っていた。
「これから港に向います。そこから用意している民間用シャトルで目的の宙域まで飛びます。よろしい?」
「もちろん、どうぞ」
 俺はジェノバに同意した。この二日間、ずっと俺達は見張られていた。いや、実際には奴らを見た訳ではないが、何やら妙に息苦しい気配が俺達を包んでいたのは間違いなかった。
 しばらくはこいつらに付き合うしかない。ただ最後にどうなるかは判ったもんじゃない。万が一の場合の為に、何らかの方法は考えておかなければならない。
 それに気になるのはイグドラシルが俺を選んだ理由だ。
 膨大なデータの蓄積と三つの独立したコンピュータによって構成されている超バイオ・コンピュータ。それが俺を適任とはじき出したんだ。そこには単に出来そうだという理由以上のものがあるはずだ。俺には何かが引っかかった。それを確かめる為には奴らの話の乗らなければならなかった。
 イグドラシルか。俺にとっては雲を掴むような感じだ。そいつは恐らく実在しているんだろう。今でこそ当たり前過ぎて空気のような存在だが時としてそれは様々なコンピュータを扱う時に実感することが出来る。
 だが、目に見えるシロモノじゃない。何かこう、底のほうに堆く積もっている力とでも言おうか。だがそれは重力のように俺達を引き込み、逆に空気の壁のように静かな圧力で俺達を押し上げる。
 俺達の生活に直接、イグドラシルが干渉するようなことはない。どう足掻いたってイグドラシルはただのコンピュータなのである。今は世界政府のずっと奥で完全管理されている。それを操れば世界を導けると信じている狂信者達の格好の道具となっても良さそうだが、イグドラシルがそれに利用されているような感じはしない。
 いや、実際はどうかは知らないが、少なくとも俺には直接何かをされているような感じはない。それが不気味でもあり、安心出来る部分でもある。
 だが、こうしてイグドラシルの名を晒す以上、絶対に何かある。何を企んでいるんだ? ジェノバ・ラウトゥーン!
 俺達は港から民間のシャトルに乗り換え、そこから宇宙へと出た。航行時間、約四時間。俺達が到達したのはスフィアUの外宙域、それも最悪のデブリ密度を誇る暗礁宙域だ。
 摂動の関係で大量のスペース・デブリが集まっている。デブリはコロニー建設時の廃材や資材にする為に運んできた小惑星の破片、破損し放置された機械もあれば不法投棄されたゴミに至るまで様々だ。確かに各スフィア間の航路からは外れているし、世界政府軍の管理宙域でもあるので、新型機の稼動試験にはもってこいだろう。周辺には“デブリ帯”と呼ばれる、ゴミがスフィアの中で最も寄り集まっている一帯もある。
 自動航行型実験施設船“カルナバル”、浮きドッグに偽装されているが、それは確かに世界政府MS開発局所属の大型船だった。戦艦ではない。六角柱の大型コンテナが三つ横に並び、それを連結する部分が二箇所、その前方部分にブリッジがある。コンテナの下面のドッグは偽装だけにしては本格的で戦艦クラスを実際に整備出来そうだった。
 シャトルはコンテナの一つに入った。中に入って判ったが、コンテナは三枚の扉で塞がれたエアロック部を抜ければ、向こうまで吹き抜けとなっていて、今は一機のMSの為だけに使われていた。シャトルはその手前で停止したが、俺の目はシャトルの窓から見えるそのMSに釘付けになっていた。
「何? モビル・スーツ?」
 隣の窓からルーシーも覗く。
「らしいな。俺が軍を離れてから三年、いや四年か? 色々と変わっていても不思議じゃないが」
 俺はそのモビル・スーツに目を凝らした。
 ハンガーに固定されたそいつはまだ銀色の未塗装状態だが、両肩だけは黄色に塗装されている。黄色は練習機に施されるカラーだ。
「この前、世界政府軍が実戦配備を決定したっていうヴァナじゃないな? 俺の見たカタログとは形は似ている気がするが。模擬機体だと聞いたが」
 と、俺の横にジェノバが現れた。俺は窓から顔を離した。
「お二人とも、そんなところで見ていないで、もっと近くへどうぞ」
 ルーシーがぶー、と頬を膨らませる。俺は妹を制してジェノバについてシャトルから出た。
 体が浮き上がる中、俺達は各所に設置された足踏みと呼ばれる無重力空間用の踏み台を使って移動した。
 船の中には居住区画以外、当たり前だが重力は働いていない。俺には無重力状態でもさして不便はなかったが、しかしルーシーはずっとコロニーの人工重力下で暮らしており、幾ら学校の研修で船外活動をやっていると言っても、決して慣れているわけではない。あれだけ止めておけと言ったのに時間がないからとジュニアハイスクールの制服のままで来たから、スカートがひらひらしてそれを隠すのに必死だった。
「これを」
 ジェノバが黄色のプラスチックのピンをルーシーに手渡す。スカート止めだ。股と両裾を止めて中が見えないようにする為のものだ。冷たいだけの女かと思ったが、流石に細かな部分に気が利く。
 俺達はモビル・スーツのハンガーに近付いた。
 近くで見るモビル・スーツはほぼ全身がまだ銀色の装甲がそのままだった。ヴァナっぽく見えたのは、似た様な装甲を多用しているからだ。流石にゼロから全てを作り上げているわけではない。政府軍正式採用の新型に乗れるかも知れないと期待していたので少々残念だった。
 周囲では数人のメカニックが整備を行っている。その中の一人が俺達に近寄ってきた。
「よう、あんたがこいつに乗ってくれる人かい?」
 男はまだ三十代前半くらい、角刈りの頭で緑色の世界政府軍御用達の緑色の繋ぎに身体を包んでいる。四角い顔が無骨な感じだが、ずっと笑顔で人当たりは良さそうな男だった。
「ああ、よろしく」
「よろしくな。ということは、あんたが噂のフレッド・リーヴか」
 噂? 俺は首を傾げた。
「何で俺のことを知っているんだ?」
「知っているさ。というかここじゃあ、結構有名になってるぜ。元ルシフェル・ガイスト隊出身でイグドラシルに選ばれた男」
 そういうことか、と俺は溜め息をついた。
「イグドラシルがどうして俺を選んだのか判らない以上、俺には関係ないな。それにルシフェル・ガイスト隊ったって俺ははみ出し者だったし、それに直ぐに退役したからな」
「そうなのか? ルシフェル・ガイスト隊といやあ、音に聞こえたモビル・スーツの実戦テスト専門部隊だ。新規導入の武装や機器なんかに常に正確なデータをもたらせてくれる。危険なデータ収集も厭わない強者部隊だと聞いたぜ」
 買いかぶりだ、と俺は言った。
「特に隊長のグルーゼン・ビョルンはニュータイプだって話じゃないか」
 俺は痛い名前を出されて一瞬息が詰まった。
「そういうことらしいな。確かに奴の腕は超一流だったし、それにも増して先読みの能力は他の奴を上回っていた」
「怖い男なんだって?」
 そう聞かれて俺はまあな、と答えた。
「蛇のような奴だったな。完全主義者で抜け目がなくてそのくせ自信家で嫉妬深い。だが実力は半端じゃない。奴に睨まれたら俺なんて本当にただの蛙さ」
「なあ、じゃあ、お前は見た事があるのか? グルーゼン・ビョルンが使うっていうドラッケン・マギって技」
 ドラッケン・マギ、か。懐かしい響きだ。竜術と呼ばれるそれは昔グルーゼンがルシフェル・ガイスト隊に配属になる前の部隊で使っていた対MS戦用の接近戦戦術らしい。何でも唐突に何も無い空間に何かの反応が現れ、それが突然真っ赤に閃くのだそうだ。何かのまやかしか、だが、それにやられたモビル・スーツは数知れない。ルシフェル・ガイスト隊に配属されてからもグルーゼンは無敗を誇っていた。俺が同じ隊に配属されるまでは。
「直接見た事はないな。ルシフェル・ガイスト隊は純粋な実戦テスト部隊で、モビル・スーツに個人的なチューニングを施すのは禁止されていたからな」
 ふーん、そうなのか、と男は言った。
「じゃあ、ほんと、なんであんたが選ばれたんだろうな。いや、俺達も誰が選ばれるか心配だったんだ。お偉いさんは適任者を選出していると言ってたけどなかなか決まらなかったし。噂でイグドラシルが動いていると聞いて、正直冷や冷やものだったんだぜ。まあ、昔何があったのか知らないが、あんたなら任してもいいんじゃないか? そんな気がする。俺の予感は結構当たるぜ」
 そうか? と俺は逆に聞いた。ルーシーは俺の横でつまらなそうに周囲を見回している。ジェノバは俺の横に来ると、メカニックの男に言った。
「フレッド・リーヴ、元ルシフェル・ガイスト隊所属の世界政府軍中尉。二度のグルーゼン・ビョルンとの模擬戦で彼の乗った当時の指揮官用モビル・スーツ“ヒルベール”を撃破、隊で唯一の模擬戦無敗記録保持者」
 でしたわよね、とジェノバが冷たい笑みを浮かべる。俺は唇を尖らせた。
「あのビョルンを敗ったってのか? こりゃすげえ、ますます確信を持ったぜ。なるほどイグドラシルに選ばれるわけだ」
「言ったろう? ルシフェル・ガイスト隊はテスト部隊だって。装備の状態も様々だし、グルーゼンはドラッケン・マギを使えない。幾らニュータイプだって、不調な時はある。たまたま運が良かっただけさ」
 俺は言った。事実だった。グルーゼン・ビョルンは確かに凄腕だった。俺が勝てたのは偶然に過ぎないと今でも思っている。
「でも、その為にあなたは隊の中で孤立し、与えられたモビル・スーツも一世代前のシロモノ。風当たりも強かったでしょうね。資料を見るとかなり危険な実験もあなたに優先的に回されている。そんな状態でそれからよく二年も持ったわ」
 よく調べているな、と俺はジェノバを睨んだ。
 その頃の俺は意地になっていた。例え旧式でもモビル・スーツの機能は流石に天と地程の差はない。腕だけで何とかやっていけると思っていたし、実際に何とかやっていた。
 しかし、叔父が突然倒れ、どうしてもジャンク屋を引き継いでくれと何度も泣いて頼まれたから仕方なく軍を退役したんだ。それに俺には両親はいないし、叔父が面倒を見ていたルーシーもひとりぼっちになってしまう。
 ルーシーは俺の実の妹ではなく、叔父がその友人が事故で無くなった時、一人残されたのを引き取った娘だ。だから俺には全く血の繋がりはないが、それでもずっと仲は良かったし、今では俺のただ一人の妹であることに違い無い。
「なあ、それより見てくれよ、この機体。新型の“グワヒール”だ。このテストの為だけに作った俺達チームの自慢の機体だ。既存の部品を使って機体を組んでいるから量産性もあるし整備もやりやすい。それでもポテンシャルはかなり高いぜ。更にこいつはサポートA.I.を搭載したS型と呼ばれる仕様になっている。正式採用されないのが残念だ。塗装はこれからだ。肩の黄色はちょっとブサイクだが、まあ、こればっかりは特務部隊としての行動上、止むを得ないんでな。何なら機体の色はあんたが指定してくれてもいいぜ。取り敢えず八色は用意しているが、重くなるのが嫌ならこのままってのも有りだ」
「そうだな、色は欲しい。でも指定はあんたに任せるよ」
 俺はそう言ってS型のグワヒールという奴の全身を眺めながら、そのコクピットに近付いた。男にルーシー、ジェノバも続く。
 無重力のハンガーなのでキャットウォークはない。開かれたコクピットハッチに直接体を寄せた。
「リング・レーダーか、初めて見たな」
「おい、冗談だろう? リング・レーダーが標準装備になったのは確か」
「だから、俺はその時でも更に昔の機体を使っていたんだって。こいつがまだ搭載されていないような古い奴だ」
 男は唸った。
「そんなんで大丈夫なのか? 流石に不安になってきたぜ」
 期待したり不安になったり、忙しい男だ。
「俺も不思議なんだよ。まあ、俺のような奴の為のサポートA.I.なんだろう? そいつに戦わせ方を教えるのなら何とかなりそうだ」
 だといいんだがなあ、という男にルーシーが話しかけた。
「あの、そのサポートA.I.ってどんなものですか? ええと」
 ルーシーがどもってしまったので、男はああ、と手を打ち鳴らした。
「俺はこいつのメカニック主任のロダンだ。そうだな、ちょっと乗ってみるかい? お嬢ちゃん」
 いいの? ルーシーが聞く。ロダンはルーシーを招いてコクピットの中に入った。球体の中に浮かぶようにあるシートはパネルも少なくシンプルだった。シートにはパイロット・スーツを固定する穴も空いている。リング・レーダーと言ってもシートそのものはかなり単純な作りである。
 ルーシーがシートに座った。そしてコントローラを握る。ロダンがシート基部にあるコクピットの電源を入れた。全天周モニターに周囲の景色が映る。
「凄い!」
 感嘆の声がルーシーからあがる。ロダンは胸を張って更にシートに付いているコンソール・パネルのボタンを押した。
「おい、アヴリル、聞こえるか?」
 一瞬、間を置いた後、女の声がコクピット内に響いた。
「もちろんです。ミスター・ロダン。システム、待機モードで起動中。各種チェック開始。パイロット承認。パイロット、未登録に付き、起動シークェンスを中断。新規登録を行ってください」
 ルーシーが驚いてぱっとコントローラから手を離した。
 機械的な感じはない自然な声だった。抑揚もちゃんとしていて、聞き取りにくいということもない。声質はどちらかと言えば普遍的なイメージとでも言えば良いのだろうか。硬くもなく柔らかくもなく。宇宙港のインフォメーション・センターの受付嬢のような、好感が持てて当たり障りの無い、そんな感じの声である。
「こいつはパイロットの認識もしているからな。外部接続だし新型に乗せるA.I.とは少し違う仕様になっている。通常のサポートに徹するA.I.と違って、こいつはマン・マシン・インターフェイスとしての機能に少し偏っている。だから多少は人間っぽい話し方をするし、確かにあんたのようなパイロットには使い易いだろうな。よろしく頼むよ」
 ああ、と俺は返事を返す。
「アヴリル、ゲストとして登録だ。お嬢ちゃん、名前を音声で登録してくれ」
「はい、ルーシー・リーヴです」
「確認の為、もう一度繰り返してください」
 ルーシーがその通りにする。
「ゲストとしてルーシー・リーヴを登録。機能限定モードで起動します。このモードではモビル・スーツを稼動させることは出来ません。リング・レーダーによるシミュレーション・モードのみ使用可能です」
「どうすればいいの?」
「なあに、ちょっとした戦闘訓練だ。ゲーム感覚で出来る。ほら、まずこのボタンを押して」
 ロダンがルーシーに使い方を指南する。俺はそれを眺めながら、そこから色々なことを把握しようと努めた。
 シミュレーションが始まった。全天周モニターには周囲の様子ではなく、宇宙空間が表示される。そこに幾つもの光点が現れた。敵を示すマーカーである。
 敵から発射されたビームが機体を掠める。シートがそれに合わせて振動した。ルーシーは悲鳴をあげながら、メチャクチャにコントローラを動かした。
「落ち着きなって。慌てないでやれば大丈夫だから。撃墜はされないゲスト・レベルだからさ」
 ロダンはルーシーにそう言った後、一歩、体を引いて俺の横に来た。
「どうだ、見た感じは。リング・レーダーってのも悪くないだろ? これにA.I.のサポートが入ればかなり使えるぜ。一応、練習機扱いだからこんな似非シミュレータも仕込んでいるけどな」
 ああ、と俺は言って何やら必死になっているルーシーを呆れながら眺めた。まだ海のものとも山のものともつかないのは事実だ。
「取り敢えずあんたがやることはこのグワヒールに搭載された戦術戦闘サポートA.I.“アヴリル”に実戦レベルの戦闘経験を積ませてやることだ。S型グワヒールは通常型よりも理論上ではかなり機能を上げているが、実際には戦闘経験は別のA.I.に移植されるし、機体も専用のものが用意される。こんなものとは比べ物にならない高性能機の開発計画が立ち上がっている」
 ジェノバから聞いた通りだ。高性能機か、まあ、俺がそんなものに乗ることはないだろうがな。
 と、ロダンが俺に耳打ちした。横目でチラチラとジェノバの姿を確認する。ジェノバは俺達からはかなり引いたところにいた。
「もう聞いたかも知れないが、この前、新しい機体の開発チームを決定する為に模擬機体でのトライアルをやったんだ。俺達はソフト面で特化した量産性の利くこのグワヒールを用意したんだが、相手のほうはコスト度外視のとんでもないので挑んできた。こっちはコテンパンさ。でも、サポートA.I.だけの能力は認められた。だからこうして搭載される専用の新A.I.を開発しているんだ。言ってみればこいつは俺達チームの生命線なのさ。だからあんたには頑張って欲しいんだよ」
 トライアルか。確かに同じ開発部でも開発チームによって技術力は随分と違う。建前ではノウハウは共有することになっているが、自分達を守る為にそれを全て公開しないのは日常的にあることである。
 だが俺は、ふとジェノバの言葉を思い出した。そこに不可解な矛盾を見つけて首を捻った。
「なあ、俺があのジェノバ・ラウトゥーンから依頼を受けた時、あの女は確かに“新型モビル・スーツの実験用模擬機体を使って”と言ったんだ。でも、このグワヒールはそうじゃない。別な開発チームがMS本体を作ってるんだろう?」
 俺はロダンに聞いてみた。
「あ? ああ、確かにそうだ。このグワヒールはトライアルで負けて開発は中止になったからな。こいつは単にA.I.の試験運用の為だけに組まれた機体で、新型モビル・スーツの模擬機体という意味なら、トライアルで勝ったほうのチームが現在、開発しているモビル・スーツのことだと思うが」
 ロダンもうーん、と唸った。
「単に言い方を間違えただけなんじゃないのか? 俺達にもあのジェノバ・ラウトゥーンという女のことは謎なんだ。一応、俺達開発チームを束ねているMS開発局総務部の人間らしいけど、ま、お偉いさんだから開発現場の詳しい実情とか専門的な知識には欠けてるってことじゃないのか?」
 俺はロダンの言う事はもっともだと思う反面、それが直接、イグドラシルが俺を選んだ理由にも直結しているような気がした。
 ほとんど涙目でパニック状態のルーシーを見ながら、俺は自分のしなければならないことを考えていた。
 イグドラシルが俺を選んだ理由、何かあるはずだ。それは何だ?
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