第六話 「襲撃 再び(前編)」 キャルセツルメントを出てから、3,4時間経った。 〜ブリッジ〜 「カナン少尉、月基地のストロ大将に連絡をして下さい。」 フォーランが言う。 「了解。」 カナンは頷く。 カナンの返事を聞くと、フォーランは腕を組む。 (さて・・・、敵はどう出てくるでしょうな・・・。) 〜MS格納庫〜 「よし、ハイメガビームバスターとメガビームバズーカの調整は終了っと。」 モロキがコックピットを出ようとした時、ディストレスに向かうシャドウの姿があった。 「シャドウ?」 モロキが呟く。 シャドウは少しディストレスを見つめた後、コックピットに向かって床を蹴る。 シャドウがコックピットに座る。 「僕が負けるなんて・・・僕が」 シャドウは呟きながら、キーボードを打ち込む。 「次は勝つ。僕は、エースパイロットなんだから・・・。」 〜月基地〜 一方、月基地の司令部では、ストロ大将がディスターブ隊からのキャルセツルメントでの戦闘結果報告の通信が終了していた。 「まったく、フェダールは何を考えているかサッパリですな。」 横から、月基地の副司令官がストロ大将に言う。 「ふん。ディスターブ隊など、囮に過ぎんよ。ようは、如何にしてフェダールを殲滅させるかだ。」 ストロが笑いながら言う。 「ですな。しかし、以前ここでの戦闘で、敵は中途半端なまま撤退しましたな。何故でしょう?」 副司令官がストロ大将に訊く。 「奴らに何らかの策があるのか・・・、それとも。」 警告音が鳴る。 「司令!この宙域全土にミノフスキー粒子が増大しています!!」 オペレーターが叫ぶ。 「何!?司令、まさか!!」 副指令が戸惑いながらストロに訊く。 「な・・・何だと!」 次の瞬間、月基地を取り囲むようにフェダールの艦隊が現れた。 〜ライグランズ〜 「艦長、月基地のストロ大将から通信が来ています。」 そう言ってカナンは回線を開く。 「ストロ大将、どうしました?」 フォーランが訊く。 メインディスプレイにストロが映し出されている。 「ディスターブ隊は直ちに月基地へ来い!!敵艦隊が再び、月基地を襲撃しに来ているのだ!」 ストロの口調からは焦りが出ていた。 「何ですと!?分かりました。ライグランズは直ちに月基地へ向かいます。」 フォーランが言う。 〜2時間後〜 ライグランズは月基地へと到着した。前方では激しい攻防戦が繰り広げられている。 〜MS格納庫〜 「以上が月基地から送られてきた敵艦隊の規模です。」 カナンが言う。 「こりゃ、以前の規模の2倍近くはあるな・・・。」 モロキがコンソール画面で機体をチェックしながら、サブディスプレイに映し出されているカナンに言う。 「月基地が落とされてしまったら、宇宙の議会軍とセツルメント統合軍の指揮系統が崩壊してしまう可能性もあります。モロキ大佐、頼みましたよ。」 カナンが笑いながらモロキに言う。 「俺1人の力で、戦況は変えられないぜ?」 モロキがバイザーを下ろす。 「私は信じています。あなたの力を・・・。」 モロキの頬は赤くなっている。 「カタパルト接続完了!モロキ、スパイル出る!!」 モロキはフルブーストで月基地へと向かう。 (多分、'あいつ等'も居るな。今度こそ、確認しなければ・・・。) 「シャドウ、ディストレス出る!!」 「レイル、フォートム出ます!!」 モロキを筆頭に次々とライグランズからMSが発進して行く。 「主砲ENチャージ開始。全砲門を前方に集中させろ。」 フォーランが言う。 「MS部隊に伝達。これよりライグランズは主砲のENチャージ及び全砲門を前方に集中させます。ライグランズの攻撃に巻き込まれないよう注意して下さい。」 カナンが言う。 「主砲のENチャージはその間々、全砲門、一斉射!!うてぇ。」 フォーランが言う。 味方機は上昇し、ライグランズの攻撃が終わった後、敵MS部隊との交戦に入る為のフォーメーションの確認と、武器を構えるなど準備をしている。 モロキがライグランズの攻撃が止むのを確認すると、口を開く。 「よし!行くぞ!!何としても、月基地を落とさせるな!そして、必ず生きろ!!」 |
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