第三話 「悪を打つ 〜EVIL・STRIKE〜」 〜MB−FR内 司令室〜 ドアが開き、セイルが入ってきた。 「ルフェス、情報によると、例の部隊がL3ポイントに向かっているそうだ。」 セイルが言う。 「確か、L3ポイントには第3艦隊が敵と戦闘中だったな。例の部隊を月基地から離すチャンスだ。'ギリギリまで、敵部隊を寄らせ、撤退。それと同時に我々が月基地に攻め込む'と伝えろ。」 ルフェスは立ち上がる。 「分かった。」 司令室を後にするセイル。 〜MB−FR内 MS格納庫〜 「ランド。話がある。」 セイルがランドに言う。 「何でしょう?」 「月基地は俺たちが抑える。その間、お前は既に制圧済みのキャルセツルメントに向かい、そこの艦隊を撤退させろ。敵はそれを見て、かならず襲撃にやってくる。内部の防衛はお前だけで良い。艦は2、3隻を使い、あとは自己の判断で撤退、キャルを放棄するんだ。」 セイルが内容を細かく言う。 「ルフェスの命令ですか?」 ランドが訊く。 「ああ。この作戦はあくまでも、例の部隊の偵察、及び戦力の数値を確認すめ為のものだ。月基地は俺が何とかする。既にキャルに向かう艦は第4格納庫で待機済みだ。」 「分かりました。流石に、手はずは整ってますね。月基地は頼みましたよ、セイルさん。」 〜数時間後〜 「全艦!メガドライブエンジン始動!航路、地球議会軍前線基地の月に合わせろ!発進!!」 ルフェスの合図と共に、全艦が次々とワープに入る。 「ランド!キャルは任せたぞ!」 ルフェスがランドが乗艦しているドスの方向に目をやり言う。 ランドは顔を縦に振る。 〜議会軍 月基地〜 「ストロ司令!ポイントMN07に大量のミノフスキー粒子・・それに・・敵艦を確認!!数は・・・」 オペレーターが数を判別しようとした瞬間、司令室の真横を主砲のビームが横切った。 「うぉっ!?」 その衝撃で倒れるストロ。 「緊急警報発令!!第1戦闘配備!!」 ストロの発令と共に、艦隊が繰り出される。 「ルフェス、敵に小規模なダメージを与えた後、撤退する・・・これで良かったな?」 セイルが自機のコックピットに座り、機体チェックをしながらルフェスに訊く。 「あぁ、そうだ。」 ルフェスがメインディスプレイに映し出される。 「よし、発進する!」 セイル機の両足がカタパルトに接続される。 「レボリューション!出るぞ!!」 戦艦ドスから出撃したMSは高速で戦闘フィールドに突撃して行く。 ルフェスは月基地へのダメージは極めて少なくしろと命じた。それは、月基地の戦力と月基地の攻略をするための作戦を状況を見ながら考えるというのが狙いだった。そして、月基地を攻撃してから例の部隊が現れるまでの時間を計算する事も考えていた。 「さすがに前線基地だけはあるな・・。」 セイルは呟くと、次々と敵MSを破壊して行く。 「んっ!?ポイント326が手こずっているか・・・。」 セイルは機体のスラスターを吹かし、ポイント326に向かう。 「このポイントの敵の指揮戦艦は・・・あれか!!」 セイルは敵の戦艦に接近する。当然、敵も迎撃をしてくる。 「ブリッジを打ち抜くしかないか・・・!!」 セイルは急速接近し、ブリッジを打ち抜いた。 一瞬、敵の艦長らしき人物から、「ガンダム」と聞こえた。 (ガンダム・・・今も尚恐れられているか。) その時セイルに通信が入ってきた。 「どうした?ルフェス?」 「先ほどポイント881に新たな敵艦とMS部隊を確認した。見方の戦艦が3隻ほどがやられた。」 「そうか。例の部隊と見て間違いはなさそうだ。撤退しよう。」 レボリューションは方向を変え、ルフェスが乗艦しているドスに向かう。 途中、後方から接近してくる機体があった。 「敵か?速いな。このレボリューションに追いつくとは・・・。」 セイルが呟く。 すると、相手から通信が入ってきた。敵の声は聞こえる。しかしセイルは回線を開く気はなかった。 (この声・・・あいつか?・・まさか) 次の瞬間、敵機からガトリングガンが発射された。 セイルは舌打ちをすると回避する。 そして相手はガトリングにライフルを合わせてきた。 「ちぃ!ならば!!」 セイルは半転し、敵機の方向を向く。 「いけ!イーヴィル・ストライク!!」 レボリューションから複数のビットのようなものが出現した。目にも止まらぬ速さで敵機を取り囲む。 イーヴィル・ストライクから発射されたビーム砲は敵機の頭部とライフルを持っていた右腕を破壊した。 そしてセイルはドスに着艦し、フェダールの全戦艦は撤退した。 〜ドス ブリッジ〜 「ルフェス、とりあえず第1段間は成功だな。」 セイルがパイロットスーツを着たままブリッジに入る。 「あぁ。あと、先ほどランドから連絡があった。無事、艦隊をMB−FRに撤退させたようだ。」 「そうか。あとはランド次第だな。」 |
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