第四話 「決意と言う名のMS」


「アーサー総帥、我が艦隊が大気圏突入開始まで、あと5分です。」
シグマ帝国の戦艦、カウーターの艦長がアーサーの乗るMSに通信を送っていた。
「分っているよ。5分以内にブレイジング隊を黙らせる!」
アーサーの乗るMSの足発進用カタパルトに接続する。
「アーサー・ゲイル!ギガントス出る!!」

ブレイジング隊も敵艦からのMS発進を捕捉した。
「!敵艦より、MS発進!これは・・・!データに無い機体と判明!新型の可能性、大!!」
索敵をしていたデュース伍長が叫んだ。
「各機に伝達!敵の新型が発進した!気をつけろ!!」
グローバーが怒声を上げた。
「新型ですって!?」
メイスが仰天した。
「隊長?」
近くに居たモロキがグライスの異変に気付いた。
「くっ・・・!あの機体に乗っているのは・・・・アーサー・ゲイルだ!!」
この発言にブレイジング隊、全員が凍りついた。
グローバーに、2年前のジング・シグマ襲撃の悲劇が甦る。

「ふふふ・・・。見つけたよ!ジング義兄さん!!」
アーサーがライフルを乱射する。
「ちっ!!アーサー・ゲイル!!」
なんとか、グライスが回避する。
「良く生きていたね・・・。ジング義兄さん。」
アーサーがライフルを持った腕を下ろす。
「生き伸びてしまったのだのよ・・・それより、何故、シグマを復活させた!?」
グライスもライフルを持った腕を下ろす。
「ジング義兄さん・・・。あなたは、人類進化計画を中途半端のまま終わらせてしまった。だから!この私がその続きを決行してやるのだ!!」
「人類進化計画はもう、不要だ!!人類は進化の過程にある、それを崩してはいけないのだぞ!!」
グライスが叫ぶ。
「それは、セイル・ギアの言葉だろ!?あなた自身はどうなんだ!?実際に議会軍に所属し、あなたが見たものは何だ!?アメリカの復旧作業の取り組みの遅さ、その卑劣なやり方、議会軍は潰さなきゃならない!それが人類の進化への第一歩なんだ!!」
グライスにアーサーは反論した。
「本当の人類進化計画の内容を知らない者が!知ったような口を叩くな!!」
グライスはライフルを撃った。
「このギガントスの運動性をなめるな!ジング・シグマ!!」
アーサーが高速で接近した。
「しまった・・・!!」
「終わりだよ・・・ジング・シグマ。」
アーサーはサーベルで切り裂いた。
しかし、グライスはギリギリで避け、左腕に激しい爆発が起こった。
(ちっ!破壊は出来なかったか・・・。だが、この程度なら何時でもジング・シグマは落とせる。今は、戦艦を・・!!)
アーサーはバラスート?に向かった。
「敵、MS!!接近!」
ロムが叫ぶ。
「全砲座!前方のMSに集中攻撃!!」
グローバーの指示により、アーサーへの集中攻撃が始まった。
「ふん!この程度!」
アーサーは軽々と避けた。
「は・・早い!!」
グローバーが呟いた。
「ブリッジは貰ったよ!!」
アーサーがブリッジに接近する。右腕にはビームサーベルを持っていた。
だが、その時だ。ギガントスの目の前をビームが横切った。
「な・・何ぃぃ!?」
アーサーは後退した。
更に、追い討ちを掛けるかの用に、アーサーにビームが打たれる。
「な・・何という、的確な射撃だ!?くそっ!!」
アーサーはバラスート?の射程外に後退した。
「あれは・・・。」
グローバーが呟いた。
「行け!!メガビーム・ビット!!」
その機体のパイロットが叫ぶ。そして腰部に装着されていたビットが射出された。
「なっ!!こんなに高速で動く、ビットが・・・!!」
アーサーに一瞬で近づくビット。そして、ビットからビームが発射された。
「くっ!!・・・んっ!爆発しないだと!?」
たしかに、爆発はしていない。だが、良く見てみるとその放たれたビームは丸くなって機体に付着していたのだ。
「う・・動かないだと!!回路がやられたのか!?」
アーサーはボタンを色々と押してみるがどれも機動しなかった。
「このビットの能力は、高速で相手に接近し、ビームを放った後、全ての回線をショートさせ、爆発する。」
そのMSパイロットから通信がギガントスのコックピットに流された。
「き・・貴様は!セイル・ギア!!・・うぁっ!!」
アーサーが苛立ちから怒声を上げた。その後、ギガントスは爆発するが、完全に爆破までには至らず、敵MSがギガントスを連れて戦艦に帰艦していった。
「あっ!!敵艦、大気圏突入を開始しました!!」
ロムが叫んだ。
「くそっ!!間に合わなかったか・・・!!」
グローバーが立ち上がる。
「親父、こうなってしまった以上は仕方が無い。すぐにブレイジング隊も地球への降下準備を進めたほうがいい。」
メインモニターにセイルが映し出される。
「・・・そうだな。すぐにMS部隊は帰艦しろ。」
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