第八話 「Eの起動」 ブレイジング隊は戦闘を終え、北極にある敵基地の殲滅作戦に参加するために北極へと航路を変更した。 そして、ランドは正式に議会軍に所属することになる。 「初めての実戦にしては、MSを3機も撃墜か・・・。すばらしい戦績だな。」 グライスがランドの戦闘結果に眼を当していた。 「グライス大佐、ジョーニアス達はどうなるんですか!?」 「あぁ、彼らの事なら本人に聞くといいと思うが・・・。」 ランドが後ろを向く。 目の前には、ジョーニアス達が居た。 「みんな!?どうして・・・。」 ランドがジョーニアス達に駆け寄る。 「お前が残るって言うんだもんな。俺達も議会軍に志願したんだよ。ちなみに、俺とヨンルは整備班。ローレンスとマリマは医療室の手伝いだ。」 ジョーニアスがランドの肩に手を乗せる。 〜セイルの部屋〜 「ランド達、議会軍に志願したんだって?!それじゃ、頑張ってもらわないとな!」 モロキがソファーに座りながら言う。 セイルがコーヒーを持ちながらモロキの反対側に座る。 「ランドは新時代の人間だ。こちらとしては都合が良い展開になった。」 モロキが目の色を変え、前かがみになる。 「その、新時代の人間になるのはお前じゃなかったのかよ!?」 呆れた口調で言うモロキ。 「今の俺ではもう無理だ。俺は非常になるしかなかった。ならなければ、アメリカ以上の死亡者を生むことになる。明るい性格で戦争が終わるなら話は別だが・・。」 セイルがコーヒーを机に置く。 「・・・お前、そんな態度だから、メイスちゃんも心配してるぜ。」 「メイスは強い奴だ。この程度にくじけはしない。」 モロキが両手を組む。 「だと、いいけどな。・・・あっ!俺の分のコーヒーは!?」 「すまん、忘れた。作り直す。」 〜ブリフィングルーム〜 「今回の作戦は、敵輸送艦が、宇宙への発進準備を進めている。その周辺には、夥しい程の防衛線が貼られている。そこで、本部は、なんらかの重要物資を積み込んでいると断定した。それで、我々の任務は、敵基地の排除及び、敵輸送艦の機能停止だ。」 グローバーが作戦の説明をしている。 グライスが立ち上がる。 「では、皆の健闘を祈る。」 〜MSデッキ〜 「おい、ランド!調整はバッチリしといたからな!死ぬなよ。」 「ありがとう、ジョーニアス。行って来るよ。」 ジョーニアスが敬礼をする。 ランドはラズ・ステルの主電源を機動させ、カタパルトに足を接続する。 「ランド・セブ!ラズ・ステル!出ます!!」 〜敵北極基地〜 警報が雪国を揺らしていた。 「何!?敵襲だと!?敵の数は!?」 基地司令官が怒声を上げる。 「敵の数は、およそ25機。」 戦闘オペレーターが司令官の方を向く。 「くっ!・・・なんとしても、積荷を宇宙へ運ばなければ・・・!!」 一方、ランドは既に2機撃墜していた。 「くっ!まだ来る!!」 ランドはライフルを連射する。 ビームはヴーイッグズの足に直撃する。その反動でヴーイッグズはランドのラズ・ステルに向かってくる。 ランドはビームサーベルを手にし、真っ二つに切り裂いた。 ヴーイッグズはその場で爆発する。 「うっ!!・・・はぁ、はぁ。あれは、敵輸送艦!!」 「ランド!!」 突然、ランドのコックピットにセイルから通信が入ってきた。 「今、輸送艦を叩けるルートに居るのはお前しかいない!お前がやるんだ!!ブリッジを破壊すれば輸送艦は身動き出来ない!!」 「わ・・わかりました!!」 ランドは輸送艦に向かってブーストで加速する。 前方から護衛のMSからのビームが向かってくる。 ランドはギリギリで避けてゆく。 しかし、相手のビームがラズ・ステルの右手を破壊する。 「うぁっ・・!!くそっ!!」 ランドはライフルを乱射する。 その攻撃により敵MSを3機破壊する。が、残りの敵がライフルを撃ちまくり、ランドのラズ・ステルは徐々にダメージが増えてゆく。 「くっそぉぉぉ!!!」 ランドはライフルを破壊され、サーベルを手にする。 そして、敵に接近しコックピットを突き刺した。 残りの敵は2機。ランドはバルカンで敵を一時後退させた。その時、敵の攻撃が止んだことによってランドはフルスピードで接近し、敵1機を切った。そのMSの爆発によりランドが視界を失う。爆発の中に光る敵MSのモノアイ。 「ちっ!!」 ランドは直感で回避行動をとった。だが、タックルをされ回路がショートしてしまう。 「くそ!終わりか!!」 ランドが眼を瞑ったときだ。セイルが援護に駆けつけ、ライフルを発射し、敵MSは回避する時間も無く直撃を喰らい大破してしまう。 「セイル大尉!」 「ランド!大丈夫か!?」 R3がランドに近づく。 「んっ!?敵の反応、後ろか!!ランド、俺は敵の排除に当たる。まだ動けるか!?」 ランドのラズ・ステルが立ち上がる。 「な・・なんとか。」 「少し、厳しいかもしれんが。そのまま輸送艦のブリッジの破壊行動に移るんだ。いいな!?」 R3がブーストを加速させ、敵の中を突破してゆく。 「やるしか・・やるしかない!」 ランドはブースターを起動させようとした。その瞬間、敵MSが味方の攻撃により輸送艦に激突、大破し、輸送艦の装甲が剥がれてしまい、中に入ることが出来るようになった。 「なんだろう・・・僕を呼んでいる・・・なんとなくあの中に入ったほうが良い様な気がする・・・。」 そして、ランドは輸送艦の内部に侵入する。 「んっ!あれは・・・。MSか・・・。」 ランドが眼にしたものはライトで照らされていたMSの姿だった。 「・・この、ラズ・ステルじゃ何も出来やしないし・・・。アレを使うしか!?」 ランドはラズ・ステルから降りてそのMSのコックピットに座った。 ランドはそのMSの電源を入れた。 「・・議会軍が制作したMS・・・どういうことだ・・・?動く!やった。とにかく、ブリッジを破壊する!!」 一方、セイルは敵の排除を完了していた。 「よし、なんとか、全てを排除したか・・・。んっ!?輸送艦が発進する!!止めねば・・・!!」 セイルはフルスピードで加速するが、間に合わない。だが、次の瞬間、謎のMSが敵輸送艦のブリッジを破壊した。 「あ・・・あのMSは!?」 セイルが足を止める。 「Eガンダム・・・まさか、個々に運ばれていたとは・・・。」 |
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