第二話 「その名は”R”」


「セイル。もうすぐ、ポイントだ。準備はいいか!?」
「大丈夫だ!!いくぞ、モロキ!!」
セイルとモロキは予定のポイントまで来た。肉眼でも敵MSが見えるほど近づいていたのだ。様子を見ていると穴をほったり、金属探知機で地下を探索しようとしている所だった。
「セイル。様子がおかしいな・・・どう出る?」
「とりあえず・・・んっ!?指揮官機が・・・2体か・・・。」
敵の数は、指揮官機を含め3機。セイルが重い口を開いた。
「敵には金属探知機がある。下手に出ても気づかれるだけだな・・・」
「!!セイル、あれを見ろ!!」
敵は金属探知機を地中に埋めたのだ。
「セイル!!よく狙えよ!!」
「言われなくったって!!」
セイルは敵のヴィルーグを目掛け、ビームライフルの標準を合わせた。
「いけっ!!」
バシュ!!
敵もビームに気づき、指揮官機はとっさに避けたが、もう1機は逃げ遅れ、直撃。大破してしまった。
「やった!!」
「セイル!!残りの敵を落とすぞ!!」
敵は、ようやくブレイジング隊が攻めていたことに気づき、ビームを乱射した。
「モロキ。当たるなよ!!」
「この程度!!」
セイルとモロキは軽々とよけ、まず1機をモロキが沈めた。
「セイル!!まだか!?」
「なっ・・・なんだよ!!機体のバランスが合ってなかったのか!?」
セイルの発言は正しかった。モロキから見ても、セイルの動きらしくない。しかし、セイルの腕が駄目なわけではない。それは相棒のモロキが一番知っている事だった。セイルは奮闘するも、次々と相手のビームが直撃していた・・・。
「今、行く!!」
モロキが助けに行こうとしたその時、敵の増援部隊が現れたのだった・・・。

マックス達は、一戦を終え、マックスを含む無傷のMS、4機がセイル達のいるポイントまで向かっていた。
「連絡が遅いな・・・。セイルとモロキなら、簡単だと思ったのだが・・・。」

ポイントでは、モロキが1人で戦っていた。
「セイル!!大・・・!?」
モロキが見た光景は残酷だった。セイルのラ・ムジィックは大破。コックピット部分をサーベルの穴が貫いた後だった。
「セイルが・・殺られた・・・か・・・!!」
そして、マックス達は眼を疑った。敵の増援部隊。もう、ボロボロのモロキのラ・ムジィック。セイルのラ・ムジィックは大破、コックピットをサーベルで貫かれた後。誰もが、セイルの戦死を確かめた。

「イテテ・・・。頭打ったな・・・。」
セイルは生きていた。サーベルを貫かれる前に、脱出していたのだ。しかし、飛ばされたのは、戦場から離れた、地下工場への階段前、バラスートまで少し距離がある。だが、頭を打ったセイルには、意識が朦朧としていて、少しの距離が長く感じていたのだ。
「くそっ・・!!目先がぼやけてて・・・よく見えねぇ・・・個々は、何処だ・・・?地下工場の階段・・・。」
ドォォォォ!!
「うわっ!!まだ、増援部隊がいるのか・・・!?」
セイルの真上をMS群が飛んでいった。セイルは非難、バラスートへの通信のため、地下工場へつながる階段を下りていった。

そして、セイルは工場にたどり着いた。通信機械を探してみたが、壊れているものばかりだった。
「これも使えない。人もいないし、通信機械は全部古いのばっかり・・・。廃墟だな・・・こりゃ。」
少し歩いて、広い場所に出た。奥のほうは真っ暗で、セイルは小型ライトを出した。
「奥に、なんか・・・ある。なんだ?」
それをよく見ると、デザインは少々古いがMSだった。しかも、コックピットが開いている。セイルは好奇心でシートに座ってしまった。
「これ・・・動くかな・・・?」
セイルは、機動スイッチを押した。
ヴィーン・・・。
「動く・・・動くぞ・・・!!これ・・・。んっ!?"Retern GUNDAM" "R PROJECT" R GUNDAM・・・!!」
次々と画面に出てくる文を読み上げたセイルは、機動レバーを上げてしまった。
ゴゴゴゴゴ・・・・!!
MSは立った。その衝撃でセイルは軽く転倒。ブースタースイッチを押してしまい、上の壁を突き破って地上に出でしまった。
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