第五話 「希望への再会・絶望への再会」


〜MSデッキ〜
「おっちゃん!!Rガンダムを出す!!」
「良かろう・・・。アレン、ビームライフルと、換装パーツを付けるんじゃ。」
「はい。チーフ。」

〜ブリッジ〜
「艦長!!レゾンから、通信が・・・!!」
「何だと!?・・・よし、回線を開け・・・。」
一方、ブリッジでは、レゾンからの通信を受けていた。

プィィン!!
「ブレイジング隊の諸君、ジング・シグマ総帥だ。」
「!!」
乗組員はジング総帥を見るのは、生放送以来。情報によれば、レゾン一機で、他の部隊は次々とやられていったと言う・・・。
ジングは、ブレイジング隊に議会軍の本部の場所を聞いてきた。20年前のクーデター勃発から、議会軍の本部は、何処かへ移転され、知ってるものは、議会軍内部でも、数人だと言う・・・。その数人の中に、グローバーが居る。
「すでに、その艦の中に本部の場所を知っている者が居ることは分かっている。そうだろ、グローバー・ギア・・・!!」

何故だ・・・・クルー全員が思った。
「シグマの情報網を舐めてもらったは困るな・・・・!!」
以前、グローバーは黙ったままだった・・・。

〜MSデッキ〜
「アレン!!まだかよ!!」
「あと少しですよ!!」
MSデッキでは帰還してきたMSが来ているので、大忙し。Rガンダムだけ、と言う訳には行かず、作業が遅れていたのだ。
Rガンダムにモロキが近づいて来た。
「セイル!!お前、1人で出るつもりか!?」
「Rガンダムなら、やれる!!」
「一体、何処からそんな根拠が・・・。」
モロキは呆れてしまった。だが、そこがセイルらしいか・・・。モロキは心中に、その事を思いながら、ブリッジを後にした。
「セイル少尉!!終わりましたよ!!」
モロキとの口論が終わってすぐ、コックピットにアレンの声が入ってきた。セイルは、ふと思った。
「おっちゃん!!これらの武器、どう使うんだよ!!」
「ああ、まだ教えて無かったの。」
Rガンダムの基本装備は、頭部バルカン、腰部にあるR・キャノン発見された、工場を探索してみた結果、専用らしきビームライフル、左にRバスターキャノン、右には、ビーム・ビットを搭載した換装パーツが発見された。
「分かったか?セイル。」
シルニーの説明が終わった。セイルは、出撃体制入る。

〜ブリッジ〜
一方、ブリッジでは、グローバーが重い口を広いた。
「やはり・・・グライス大尉・・・ですよね。」
その言葉に、クルー全員は仰天した。先ほどのセイルとの会話を聞いてしまったためだ。聞く気は無くとも、聞こえてしまうのだから、仕方なかった。
「ふっ。グローバー。まだ議会軍に居たのか?」
「自分は、大尉の帰りを待っていたんです・・・。何故です!?何故、大尉はシグマ家出身の人間だったのですか!?」
そして、しばらく沈黙が続き、ジングが口を広いた。
「そうだ。私はシグマ家の出身。ジング・シグマ。あの時は偽名を使わせてもらった。」
「では、何故、議会軍に・・・!?」
「この時のためだ。今の人類の状態を探るべき、議会軍に入隊した。そして、あの時の通信で、私はシグマに帰還するよう、言われた。」
グローバーに、あの時の風景が思い出される。あの時、大尉が焦っていたのは・・・・このためだったのか!?グローバーにその言葉が渦巻いていた。さらに、ジングが口を開く。
「グローバー、大尉と呼ぶな。今の私は、グライス・カロニアでは無い!!」
「何故です・・・ジング・・シグマ。」

ビーーー!!
「艦長、MS一機が艦橋から出ました!!」
「セイル・・・!!待て!!お前が敵う相手では・・・!!」

プチ!!
セイルは、通信回線を閉じてしまった。
「あれが、ジング総帥・・・。」

Rが出てきたことに、ジングも気づいた。
「来たか・・・亡霊よ。」

「亡霊よ・・・落とさせてもらうぞ!!」
レゾンが、フルスピードでRに接近した。
「は・・・ 速い・・・!!」
そして、レゾンはビームサーベルを出した。一気にRに振りかざす。
「落ちろ!!亡霊!!」
「くそっ!!」
セイルはギリギリ回避に成功した。しかし、ほっ。とするセイルに容赦無く、ジングがサーベルを振り回した。
「落ちてたまるか・・・!!」
セイルは、ビームサーベルを取り出し、レゾンのサーベルと交じり合う。だが、しかしRは20年以上も前のMS、レゾンとのパワー差は歴然としていた。
「亡霊はここで落とす!!ここで落とさなければ・・・また繰り返される・・・!!」

この発言は、ブリッジ内にも聞こえていた。
「繰り返すだと・・・?どう言う事だ・・・?」
グローバーの一言で、またブリッジ内は沈黙した。
(そもそも、Rとはどう言う意味だ?グライス・・・いや、ジング・シグマ、貴方はこの意味を知っているのか!?)

以前、戦闘はジングが優勢だった。一瞬、距離が広いた。
「広らいた・・・!!Rバスターで・・・!!」
セイルは左肩のバスターを準備した。
「ロック・・・。発射!!」
ドゥゥゥ!!
「当たるか・・・!!」
ジングは当然のように回避し、この間にRに接近しようとしていた。セイルは、ビームライフルを乱射する。ジングは更に回避し、サーベルで、Rのライフルを破壊した。
「終わりだ・・・亡霊。」

「全砲門、発射!!Rを援護しろ!!」
艦長命令が下った。バラスートは、メガ粒子砲を撃った。
「ちっ!!グローバー!!」
セイルにしては絶好の攻撃チャンスである。
(良し!!・・・待て、また攻撃しても避けられる・・・だったら・・・)
セイルは、右肩にあるビーム・ビットを準備した。
(ビット・・・操れるか!?けど、やるしかない・・・!!)
ビットを準備していることに、ジングは気づいた。
「ビットを!?こいつ、ニュータイプか・・・!?いや、しかしそれ程の腕では無いが・・・。」
「頼むぞ!!ビット!!」
ビットの数は1個。だが、威力はすばらしいものである。
「行くんだ・・・行くんだ・・・行くんだ・・・ビット!!!」
「何!?」
ジングは眼を疑った。なんとビットが動いているのだ。そして、発射されたビームは命中。
「くっ!!不覚・・・!!ここで、落とされる訳は!!」
「撤退する・・・!?」
(亡霊のパイロット・・・ニュータイプか・・・。)

「艦長、スレーム隊のガロン准将から、定期メールです。」
プィィィン
「艦長、これよりブレイジング隊は補給のため、サッズに来ていただきたい。なんでも、MSを発掘したそうじゃないか。その件もある。私は先回りしているぞ。」
「・・・仕方ない、これより、サッズに向かう。」

セイルにモロキが駆け寄ってきた。
「セイル、やったじゃないか。あのジング総帥を撤退さけたらしいじゃないか。」
「あぁ・・・。」
セイルは何故か元気が無かった。
「悪い、モロキ1人にしてくれ。」
「あ・・・あぁ。」
そう言ってセイルは部屋に入ってしまった。モロキも少しセイルの部屋の前に立ち止まって、少しした後、歩いて行ってしまった。

「ビットを操ったあの感じ・・・なんか気持ち悪かった。」

〜サッズ〜
「バラスート艦長、グローバー・ギア大佐です。」
「マックス・ボーン少佐であります。」
「よく来てくれた。艦長、例のMSパイロットは誰かな?」
「ああ、セイル!!」
「はい・・・。」
セイルは走ってきた。どうやら、メガネを掛けていて、気の良さそうな人が、ガローン准将らしい。
「少し、話がしたい。それと、そのMSに興味をしめしている、メカニックが居るんでね。」
「!!」
セイルはグローバーの顔を見ると、何故か驚いていた。そして、グローバーはゆっくりと口を広いた。
「ミ・・・ミニン・・・!!」
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